
「面接で厳しい質問されるの嫌だな~」と思うのは、誰だってありますよね。就活・転職サイトなんかで、圧迫してくるような質問に対して、対策を立てているという人も多いのではないでしょうか?
前回の記事で、ほとんどの場合、圧迫面接は、圧迫することを目的に行われているのではないということを書きました。
今回は、圧迫面接になってしまう理由を踏まえた上で、その対策についてまとめます。
【目次】
圧迫面接の理由が分かれば怖くない
就職・転職サイトでは、圧迫面接は、ストレス耐性をチェックために行われると説明していますが、たいていの場合は、面接を受ける側の思い込みです。
採用担当者は、必死になって自社に合う人材かどうかを見極めようとしているだけで、その必死さを圧迫だと感じてしまっているだけなんですね。
前回の記事にも書きましたが、一人を採用するのに、とんでもないコストがかかっているため、担当者も思わず力が入ってしまうんです。そのことさえ分かれば、十分対策を立てることもできます。
担当者の心理さえ分かれば、それに対する適切な対応のやり方も見えてきます。面接の担当者が何を考えているのかに重点を置きながら、圧迫面接対策のポイントを7つにまとめました。
①相手の立場に立って考える
採用面接に限ったことではありませんが、コミュニケーションを取る上で大事なことは、相手の立場に立って考えるということです。
相手の立場に立って考えるというのは、相手が何をどのように考え、どんな判断をするのかという思考プロセスを自分の頭の中に正確に再現することです。
これができれば、相手の手の内を読めるようになり、適切に対処することができます。
ただ、これをやるためには、かなりの経験を積んでいないとできません。社会人経験のある転職者ならまだしも、社会人経験のない就活生の人には、難しいものがあります。
なので、この記事では、社会人経験のない就活生の方でも、採用担当者が何を考えているのか分かるように、可能な限り解説していきます。
②インターネット以外からも入念に情報収集法する
インターネットばかりに頼り過ぎはダメ
ほとんどの人はインターネットを使って情報を集めますよね。しかし、それには二つの問題があります。
一つ目は、他の応募者と差別化ができないこと。
インターネット上の情報は、誰でもアクセスすることができるため、同じ企業の面接を受けに来る人は、みんなチェックしています。そんな誰でも知ることができる情報をろくにチェックしていないとなると、落とされる危険性が高まります。
下手をすると「うちが第一志望じゃないよね」と言われて圧迫されてしまいます。
普通に考えるのであれば、興味があるんだったら、細かいところまで調べてくるはずですよね。それをやっていないということは、興味が薄い、つまり、第一志望ではないと思われてしまうわけです。
さらに問題点の二つ目は、応募先企業の詳細な面やネガティブな面は、あまりよく分からないことがほとんどだということ。
どんな人材が欲しいのかや、どんな事業に力を入れようとしているのかを細かく公表してしまうことは、競合他社に自社の手の内を明かすことにつながりかねないので、かなりざっくりとした内容のことしか、ネット上には書かれていません。
また、残業の多さや、仕事の厳しさについても、正直に書いてしまうと企業のイメージが悪くなってしまうので、こういった情報は、なかなか知ることができません。
他の応募者と差別化できる情報収集法
インターネット以外での情報収集手段で一番いいのは、ズバリ知っている人に聞くことです。
私の場合は、合同企業説明会でお目当ての企業のブースへ行き、個別に採用担当者から必要となるスキルや仕事内容の細かい内容などの情報を得ていました。
ただ、人気のある大企業ともなると、採用担当者に直接話を聞くのは難しくなるので、内定をもらった先輩から話を聞いたり、OB・OG訪問するなどの工夫は必要です。
こうして人から仕入れる情報は、信用性もクオリティも高いので、他の応募者と差別化もできます。
また面接においても、インターネット上に上がっていないことまで調べてきているということが伝われば、熱意も伝わりますし、「本当にうちが第一志望なの?」と思われる心配もなくなるわけです。
③相手の要求に応じる
情報収集がしっかりできていないと、相手が本当に欲しがっているものが何なのかを、はっきりさせることができません。
多くの企業では、就活生に求めるものとして、コミュニケーション能力、チャレンジ精神、リーダーシップなんかを挙げていますよね。
でも、みなさんは、この具体的な中身って、イメージできますか?
例えば、チャレンジ精神といっても、過酷な現場に突っ込んで行って成果を上げてくるといったド根性的なものもあれば、無理難題と言われるものに対して、何度も試行錯誤を重ねてクリアするといった頭脳的なものもあります。
リーダーシップにしても、状況に応じて周囲に的確に指示を飛ばせるというタイプなのか、人より率先して物事にあたるというタイプなのか、それとも、周囲の対立する意見を調整しながらまとめ上げていくというタイプなのか、分かりませんよね。
面接でアピールする時も、「私は体育会系出身で、チャレンジ精神があります」と言っても、相手が求めているのが、先ほども書いた頭脳的なチャレンジ精神なら、相手の心には何も響きません。
リーダーシップにしても、クラブやサークル、アルバイトなんかでリーダーをやっていた経験があるんで、リーダーシップがありますなんて言われても、担当者にしてみれば、「どのタイプなの?」となり、採用するかどうかの判断ができません。
大事なのは、事前に情報収集をしっかりやって、相手が欲しがるものをはっきりさせ、それに合わせて自己PRしていくことです。
④論破はあまりよくない
面接で圧迫されるようなことを言われてきたら、熱意を試されているということだなんて、よく言われますよね。論破すれば熱意が通じて、内定につなげられると考える人もいるでしょう。
しかし、担当者としては熱意を試しているわけではないんです。感じたことや疑問に思ったことを、そのまま言っているだけです。
だから仮に、うまく論破して内定を勝ち取れたとしても、入社してからが大変な状態になってしまいます。面接で能力不足を指摘されていたのであれば、実際に入社してから能力不足に悩まされることになります。
必死になってがんばってカバーできるのであれば、問題はありません。
ただ、担当者の疑問や不安を無理やり押し切ってまで入社してしまうと、後で大変な苦労をするという覚悟は必要です。
⑤ゴリ押し的な自己PRはNG
面接では何を聞かれても、必ず自己PRにつなげろと教えられた人も多いでしょう。他の人よりも、とにかくたくさん自己PRできた方が、内定がもらいやすいように思えますが、そんなことはありません。
むしろ、何でもかんでも自己PRに結びつけてくる就活生を、担当者は面倒くさいとさえ感じているという話を聞いたことがあります。
自己PRは、ちゃんと相手が欲しがっているものを把握したうえで、それに合わせて行うのがベストです。
相手が特に必要ともしていないような能力なんかをアピールしたところで、相手は嫌がるだけです。
例えて言うなら、営業マンの押し売りのようなもので、特に欲しいものでもないのに、「この商品、いいですよぉ~」なんてグイグイこられたら、誰だって迷惑がりますよね。「この時代に、押し売りなのか?」と。
だから、何でもかんでも手当たり次第に自己PRをやりまくるのではなく、相手の欲しがっているものや課題を分析したうえで、自分はそれにどのように応えていくのかをPRするという提案型の自己PRが重要です。
⑥マナーはしっかり守る
書類の作成や面接の受け答えを考えるので頭がいっぱいで、マナー対策は手薄になってしまっているという人もいるでしょう。
就活セミナーでも、自己分析やエントリーシートの書き方などに比べると、あまり入念に取り上げられることは少ないかもしれませんが、社会人としては、マナーは超重要項目です。
面接では、書類や受け答えの中身だけでなく、立ち振る舞いや服装なども何気にチェックされています。そして、他の部分がいくらきっちりしていても、マナーがしっかりできていなければ、落とされます。
「君さぁ、なんで内定もらえないか分かる?」という圧迫の一言も、面接での態度に問題があるのではないかと思います。
例えば、相手の目を見て話すのが苦手なので、目を合わせずに話していると、担当者としてみれば、「どこ向いて話してるの?」となりますよね。
グループ面接なんかでも、他の人が話しているときに、落ち着きなくソワソワしていたり、よそ見をして全然聞いていなかったりすると、印象は悪くなります。他にも、服装が乱れていたり、不潔だと思われるところがあると、一発でアウトになる可能性が高いです。
採用選考では、もしこの人が自社の社員として取引先に行ったときに、恥ずかしくないかや、組織の一員として、ちゃんとなじめるのかという観点から、マナーがチェックされます。
つまり、マナーができていないということは、いくら勉強やスポーツができる人であっても、コミュニケーションがまともに取れない人として見られてしまうんです。
マナーがあまりにもボロボロな状態だと、担当者もさすがにイラッとして注意してきますので、マナーには十分注意しましょう。
⑦就活本は参考程度に
採用面接を受けに行く前に、多くの人は就活本を読んで、どんな受け答えをするのかを考えますよね。就活本の模範的な内容をもとにして、完成度の高い受け答えを準備してくる人もいるはずです。
しかし、担当者が見たいのは、そんな模範解答で着飾った姿ではなく、その人の本来の姿なんですね。その人の本来の姿を知らなければ、自社に合った人材かどうかの判断ができないんです。
だから、わざと就活本の内容を使わせないような意地悪な質問をしたり、「なぜ?」と何度も理由を聞いて深堀りするようなことをしたりするわけです。
なので、無理をして就活本に書かれてあるような模範解答的な受け答えを準備する必要はなく、ありのままの自分でいいんです。
そして、面接を受ける時にも、就活本通りに完璧にやろうと緊張する必要もなく、いつも通りの自分でいいんです。
無理に就活本どおりに完璧にやろうとすると、本来の姿が隠れて見えなくなってしまいますから、担当者はその人の本来の姿を知ろうとして、圧迫するような質問をしてきます。
だからと言って、就活本がまったく参考にならないというわけではなく、言いたいことを伝わりやすくするためには、どこに気を付けたらいいのかといったことは、押さえておく必要があります。
圧迫されていると感じたら
圧迫面接のほとんどは、面接を受ける側が勝手に圧迫されたと思っているだけで、担当者としては、圧迫しているというつもりはないんです。
自社に合う人材なのかどうかを必死にさぐっているだけで、意地悪なことをしてストレス耐性をチェックしているわけではないんですね。
担当者が圧迫するようなことを言ってくるのは、面接を受ける側の受け答えが曖昧だったり、納得できなかったりした時です。
なので、面接中に「圧迫されている」と感じたのであれば、それは担当者が不満を募らせているというサインなんです。
圧迫面接になってしまわないようにするための一番の方法は、事前に相手の要求や課題を分析して、面接時にそれに応えられるような提案型の自己PRをすることです。