
就職活動は、社会へと飛び立つ第一歩。ここで問題になってくるのが、学生と社会人との感覚のズレです。
学生としては面接で真剣にアピールしているつもりでも、社会人の立場に立ってみたときに、ちょっとズレていると思われてしまうことって、結構あります。
そんな気を付けておきたい感覚のズレや、面接で言ってしまうとNGなことについてまとめました。
どういったところでズレてしまいやすいのかを押さえて、内定につなげられるようにしましょう!
【目次】
注意しておきたい「感覚のズレ」
就活に限ったことではありませんが、相手と感覚のズレがあると、コミュニケーションはうまくいきません。
経営者や社員として働いている社会人と、アルバイト程度の経験しかない就活生では、感覚がズレてくるのは当然でしょう。
この感覚のズレを事前に理解したうえで、アピールのやり方を考えておかないと、せっかくのアピールが逆効果になるということもあります。
具体意的に、言ってしまうとNGになってしまう内容を通して、どこがまずいのかを解説していきますので、何がズレてしまっているのかを把握しましょう。
面接で言ってしまうとNGなこととは?
仕事を通して、勉強していきたい
仕事を通して、いろんなことを学んでいきたいということを言って、向上心をアピールしようと考える人もいるでしょう。
でも、企業側が求めるのは、すぐにでも収益の獲得に貢献してくれる人なんです。(いわゆる即戦力ってやつですね。)
向上心をアピールするつもりが、逆に私は即戦力になりませんと言っているに等しい状態になってしまいます。
それに、「給料を払ってまで、何で君に勉強させてあげないといけないのか」と思われることだってあります。
企業は利潤を追求するところであって、学校のように勉強するところではないという認識を持ちましょう。
人の役に立つ仕事がしたい
これは、採用担当者であれば、嫌というほど聞かされているフレーズでしょう。担当者側にしてみれば、「じゃあ、逆に、人の役に立たない仕事って何?」という感じではないでしょうか。
どんな仕事であれ、仕事というのは、誰かの役に立っているからこそ存在するんだというのが、社会人の考えです。だから、人の役に立たない仕事なんて、考えられないんですね。
大事なのは、自分のどんな能力を、誰のために、どうやって使うのかをはっきりさせて、アピールすることです。
何となく、人の役に立てるんだったら何でもしますという感じでは、アピールとしては弱いでしょう。
待遇、福利厚生に関する質問
平均でどれくらい給料がもらえるのかや、福利厚生がどうなっているのかといったことは、重要な情報ではありますが、これについて聞くことは一般にタブーとされています。
組織のために自分を犠牲にして必死になって働く人が求められていた時代には、こういうことを聞くだけで一発アウトというところもあったようですが、近年では考え方も変わってきて、聞いても特に問題は無いというところも増えてきています。
ただ、こういったことばかり聞いてしまうと、働く気があまりない人という目で見られてしまうんですね。他にも、残業時間について質問するのも、やる気が無いというふうにみなされてしまいます。
待遇について知りたいという気持ちはあるでしょうが、それよりも、自分に合った仕事なのかどうかを知ることの方が重要です。
いい待遇を受けるために、嫌な仕事をガマンし続けるという状態は、好ましいとは言えませんので。
御社の○○が好きです
応募先の企業の商品やサービスを好きですと言えば、担当者に好感を持ってもらえて、アピールとしてプラスになると思っている人もいるでしょう。
でも、企業が求めているのは、収益獲得に貢献してくれる人なんです。単にその企業の商品やサービスが好きというだけなら、「じゃあ、お客様のままでいれば?」と思われます。
なので、好きだということをアピールするよりも、自分はその企業の収益獲得にどれだけ貢献できるのかをアピールする方が大事になってきます。
仕事もプライベートも全力でがんばります
何事にも前向きな姿勢をアピールする目的で、仕事もプライベートも全力でがんばりますということを言う人もいるでしょうが、これも場合によってはマイナスアピールになります。
残業やノルマがきつい会社だと、仕事は全力でがんばれても、プライベートまでは余裕がありません。
そうなってくると、担当者としては「このまま入社させると、プライベートを充実させられないことを理由に辞められるかも」と不安になってくるんですね。
どうしてもライフワークバランスを重視したいのであれば、それが実現可能な会社であるのかどうなのかは、事前にしっかり調べておく必要があります。
リーダーの経験があるんで、リーダーシップがあります
多くの企業で求められるものの一つが、リーダーシップ。なので、面接ではアルバイトやサークルなんかで、リーダーをやった経験をアピールして、リーダーシップがあることをアピールする人も多くいます。
しかし、これには二つ問題があります。
まず一つ目が、リーダー経験があると言われても、担当者としては、どんなタイプのリーダーなのか判断ができないということ。
リーダーシップと一言に言っても、的確に指示を飛ばす司令塔タイプもあれば、周囲の意見を聞いてまとめていく協調タイプなんかもあります。どのタイプなのか分からないとなれば、それをはっきりさせるために、担当者からは突っ込んだ質問が飛んできて圧迫されます。
そして二つ目が、学生のリーダーと社会人のリーダーとでは、責任の重さが全然違うということ。
学生のアルバイトやサークルのリーダーは、たいした責任はありませんが、企業内でプロジェクトチームを率いるリーダーともなると、責任は結構重くなります。
そんなたいした責任もないリーダーを経験したからといって、自分にはリーダーとして組織をまとめ上げていく力がありますなんて言ってしまうと、「その程度の経験しかないのに、本当にまとめられるのか」と思われます。
場合によっては、「その程度の経験で、企業内のリーダーが務まると思っているなんて、社会人をナメているのか」と思われかねません。
リーダーシップをアピールするのであれば、どんなタイプなのかを分かりやすく伝えることと、言い過ぎになってしまわないように注意するといことに気を付けましょう。
ボランティア、海外経験のアピール
面接では、何かすごい体験がないとアピールできないんじゃないかということで、ボランティアに行ったり、海外に行ったりする人もいるでしょう。
ただ、普段は全然関心が無いのに、面接のネタにするためだけに行ったというのであれば、すぐに見抜かれてしまいます。
採用担当者が見たいのは、どれだけすごい経験をしているのかということではなくて、自社に合った人材なのかどうなのかということなんですね。だから、無理をしてすごい体験をする必要はないわけです。
就活生が「え?こんなことでOKなの?」と思うような活動体験でも、それが適性のアピールにつながっていれば、問題ないんです。
例えば、バンドをやっていて、4時間の練習を毎日欠かさずやったということでも、担当者から見て、それだけの忍耐力や継続力がると判断されれば、「すごいじゃないか!」と思ってもらえます。
ズレたことを言ってしまわないために
面接で地雷を踏むようなことを言ってしまわないためにも、就活をビジネスとしてとらえることが大事です。
つまり、相手がどんな人材を必要としているのかをしっかりと見極めたうえで、自分を売り込んでいくんです。
多くの就活生の人は、就活本を読んで勉強して、そこに書かれてあることを実践すれば、内定がもらえると考えているでしょう。自分を売り込むビジネスというよりも、大学入試に近い感覚で採用選考を受けに行っている人が多いんですね。
確かに、就活本に書かれてある受け答えは、どれも模範的なものばかりですが、その通りに受け答えをしたからといって、内定をもらえるとは限りません。
入試では、出された問題にうまく解答できた人が合格しますが、就活では、企業側のニーズにうまく応えられた人が内定を獲得するんです。
だから、就活をビジネスだと考えた上で、どんな相手に自分をどう売り込めば内定につながるのかを考えるのが重要なんです。