
みなさんは、潜在意識と聞いて、どんなものをイメージしますか?
引き寄せの法則が話題になったこともあってか、注目されるようになりましたが、まだ潜在意識のことをちゃんとわかっている人は、多くはありません。
目標達成がうまい人や、コミュニケーションがうまい人には、潜在意識をうまく使いこなしている人がたくさんいます。
そこで今回は、潜在意識の使い方の入門編として、潜在意識について科学的に解説します。
【目次】
成功のカギを握る潜在意識
どうして成功を手に入れるためには、潜在意識の力が必要なのか?その理由は、潜在意識の圧倒的なパワーにあります。
意識全体のうち、顕在意識はたったの1割程度で、残りの9割は潜在意識と言われています。割合を見ても、潜在意識のほうが圧倒的に上ですが、実はパワーの面でも、潜在意識のほうが上です。
綱引きで例えるなら、子供1人と大人9人が対決するようなもの。絶対に大人(潜在意識)のほうが勝ちます。
成功をうまく手に入れられない人というのは、この大人9人をブラブラさせて、子供1人の力でなんとかしようとしてしまっている人なんですね。大人9人の力を借りれば、子供1人では解決が難しい問題もサクッと解決します。
成功をつかみとるには、潜在意識のパワーを使うことがいかに大事かがイメージできたのではないでしょうか。
潜在意識と顕在意識の違いとは
多くの人にとっては、顕在意識と潜在意識の違いといえば、自覚できるものが顕在意識、無自覚なのが潜在意識といった感じではないでしょうか。
確かに、この考え方で合ってはいますが、潜在意識の力をフル活用しようと思うのであれば、これでは不十分です。
潜在意識の特徴をよく理解しておけば、ちょっとした工夫をするだけで、すごいパワーを使えるようになるんですね。
顕在意識と潜在意識の違いを一言で言い表すのであれば、顕在意識は人間の理性的な部分、潜在意識は人間の動物的な部分といったところです。
それでは具体的に、潜在意識の9つの特徴を、顕在意識と対比させながら解説していきます。
潜在意識の9つの特徴
潜在意識には、全部で9つの特徴があると言われていますが、覚えやすいようにこれを3つのグループに分けた上で解説していきます。
動物的な反応と行動の特徴3つ
それでは、まずは潜在意識が外部からの情報にどのように反応し、そして、どのように行動していくのかを見ていきます。
では、潜在意識の特徴を理解するために、次の画像をよく見てください。
特徴1:言葉よりもイメージに強く反応する
この画像を見て、多くの人は「ん?ミカンって・・・いやいや、どう見たってリンゴでしょ!」と思われたでしょう。
リンゴの写真とミカンという言葉がありますが、多くの人はリンゴの写真のほうに強く反応したはずです。
生物の中で言葉を使うのは人間だけであり、視覚によって情報を取り入れる生物は、イメージによって情報を処理します。
言葉によって情報を処理しようとするのは顕在意識の方であって、潜在意識はイメージによって情報を処理します。
なので、言葉とイメージが並んでいた場合、潜在意識の方が強いので、イメージの方に強く反応します。
さらに、言葉とイメージが食い違っていた場合には、イメージの方が正しいものとして認識されやすいんですね。
特徴2:繰り返されるものを重視する
潜在意識は、何度も現れる情報を生命の維持に関わる重要なものだと判断し、その情報を重視するようになります。
なので、大事な情報は、何度も繰り返しインプットしないと、潜在意識が重要なものだと判断しないんですね。
特徴3:時間と空間を認識することがなく、常に「今、ここ」である
人間は、過去のことを考えてクヨクヨしたり、将来のことを考えて不安になったりしますが、人間以外の動物には、それがありません。
過去なんて変えることはできないし、未来のことなんて、その時になってみないとどうなるのかは分からないわけです。
また、自分がどの位置にいるのかといったことも認識せず、意識は常に自分が今いる場所に集中します。
食うか、食われるかの厳しい自然界では、「今、この場所、この瞬間」を生き抜くことが重要であり、それ以外のところに意識を向けるのは無駄でしかないんです。
よって、動物的な潜在意識もまた、時間や空間を認識することが無く、常に「今、ここ」の状態なんです。
動物的な思考の特徴3つ
次に取り上げるのが、潜在意識の動物的な思考の特徴です。
これを知っていれば、目標達成や他者とのコミュニケーションの上で、非常に役に立ちます。
特徴4:否定形が理解できない
実は、潜在意識には、否定形を認識するという仕組みがありません。
なぜかというと、否定形で情報を処理するという前提が無いからです。
動物は、五感を通して情報を電気信号に変えて、脳に送り届けます。この時に、見えるもの、聞こえるもの、感じるものが、そのまま電気信号に置き換えられて脳に伝えられるため、否定の形で情報が伝えられるということがありません。
例えば、リンゴを見せられて、「これは、ミカンではない」と言われても、視覚からはリンゴの情報がそのまま入っていきますよね。
このように、五感を使って情報を集める動物にとっては、そもそも否定形で情報が入力されるという前提がないため、否定形を認識する仕組み自体がないわけです。
なので、動物的である潜在意識は、否定形を認識できないんですね。
特徴5:現実と想像の区別ができない
「現実と想像くらい、ちゃんと区別できるんじゃないの?」と感じるかもしれませんが、それができるのは理性を持った顕在意識のほうであって、潜在意識にはできません。
潜在意識にとっては、情報の入力は全て五感からという前提があります。
先ほども書いたとおり、五感はありのままの現実を脳に伝えるものです。
潜在意識にとっては、情報の入力経路は五感しかないという前提なわけですから、頭の中のイメージの中に、顕在意識が想像によって作りだしたものが混ざっていたとしても、潜在意識はそれら全てを五感から入力されてきた現実に基づくものとして処理してしまうわけです。
特徴6:論理的な思考力が無い
顕在意識は、論理的に物事を判断するのに対して、潜在意識は快・不快の感情によって物事を判断します。
論理的な思考は、結論が出るまでに時間がかかってしまうため、行動のタイミングが遅れてしまう可能性があるんですね。
天敵に襲われている時に、「どうしよう?」なんて考えていたら、結論が出る前に食べられて死んでしまいます。
なので、潜在意識には、論理的思考に頼らずに秒速で意思決定できる仕組みが備わっているんです。
動物としての性格の特徴3つ
最後に取り上げるのが、潜在意識の動物としての性格の特徴です。
これを知っておけば、潜在意識との付き合い方もわかるので、ぜひ押さえておきましょう。
特徴7:三歳児くらいの幼児に似ている
潜在意識は、顕在意識よりも先に発達します。
なので、顕在意識が発達し始める前の3歳くらいの子供の思考パターンや行動パターンというのは、潜在意識を反映しているんですね。
顕在意識が徐々に発達し始めてくると、子供は「なんで?」や「どうして?」という言葉を多く使うようになってきます。
このような言葉は、論理思考を表すもので、顕在意識がどんどん成長してきているというサインなんです。
潜在意識は論理思考なんてしませんから、論理思考をやり始める前の子供の状態が、潜在意識によく似ているんですね。
特徴8:適切な質問には、適切な答えを返してくる
小さい子供は正直であるように、潜在意識も正直です。
そもそも、ウソをつくというのは、矛盾が無いように論理の整合性を取らないといけないので、そういうことをするのは、顕在意識のほうなんですね。
潜在意識は、質問に対しては正直に答えてくれます。
問題は、質問のやり方です。先ほども書いたとおり、「なんで?」や「どうして?」といった言葉は論理思考の言葉なので、潜在意識は理解できません。
また、潜在意識は基本的に五感を通して入力された情報をもとに情報処理をしています。
なので、質問の答えとなるものは、何が見えるのか、何が聞こえるのか、何を感じるのかといった五感を通してイメージできるものになるんですね。
よって、潜在意識に質問するときには、答えを五感を通してイメージできるものにする必要があるんです。
特徴9:常に今を維持しようと働くホメオスタシス(恒常性)
動物にとって一番大事なことは何かというと、自らの生命を維持することです。そして、生命の維持に問題が生じない限り、変化することを嫌います。
あくまで生命の維持が最優先で、今のままでちゃんと生きていけるなら、無理をして変化する必要はないと考えるんですね。
なので、潜在意識も、安定していられるように、常に一定の状態を保とうとするわけです。
生物学では、この状態のことをホメオスタシス(恒常性)とよびます。
潜在意識の力を使えば、願いを叶えられる
潜在意識の特徴がどんなものなのか、ご理解いただけたでしょうか。多くの人は、潜在意識にこの記事で紹介した特徴があることすら知りません。
例えるなら、せっかく便利なスマホを持っているのに、アプリの使い方が分からずに、通話にしか使っていないようなもの。かなりもったいない状態ですよね。潜在意識なんて、誰でも持っているのに・・・。
次の記事では、潜在意識を有効活用して目標を達成したり、コミュニケーションを円滑にする方法を解説します。