
たくさん本を読んだのに、内容が全然思い出せない・・・。
スキルアップのために本を読んでも、さすがに何も頭の中に入っていなかったら、がっかりしてしまいますよね。「昔に比べて、記憶力が衰えたのかな」と感じる人もいるかもしれませんが、それは実はあまり関係がありません。
すぐに内容を忘れてしまうという人は、本の読み方に問題があるんです!
その問題のある読み方と、科学的な対処法についてまとめました。
【目次】
読んだ本の内容をする忘れる人の7つの特徴とは
読んだ本の内容をすぐに忘れてしまう人の特徴をまとめると、次の7つになります。
心当たりのあるものが、いくつか入っているのではないでしょうか。(人によっては、全部当てはまるという方もいらっしゃるかもしれませんが。)
このような読み方をしてしまっていると、本の内容は、まず頭の中に入ってきません。
まずは、自分の問題点をチェックしましょう。
①読むこと自体が目的になってしまっている
たくさん本を読んで勉強しようと考えたことがあるという人の中には、「一週間に一冊は、本を読む!」だとか、「一年間で100冊にチャレンジする!」といった目標を立てたことがあるという人は、多いでしょう。
たくさん本を読むというのはいいのですが、問題は、本を読むことによってどうなりたいのかというイメージがぼんやりしてしまっていることです。
読書という手段が、いつの間にか目的になってしまっているんですね。
そうなってしまうと、どんな知識を学んだのかということよりも、何冊の本を読んだのかということばかりに注意がいくようになってしまいます。
「今、何冊目なのか?」や、「あと何冊読んだら、目標達成なのか?」ばかりが気になってしまい、ちゃんと内容が身につかなくなってしまうんですね。
なので、本を読んで、自分はどうなりたいのかというイメージを持っておくことが大事なんです。
②アウトプットをほとんどしない
学んだ知識を自分のものとするためには、学んだことを実際に使ってみるというのも大事です。
アウトプットをしてみるとこで、十分理解できていないところが明らかになったり、頭の中で知識が整理されていったりするんですね。
手や体を動かしてアウトプットすれば、頭だけでなく、体でも覚えることになりますから、忘れにくくなります。
でも、多くの人は面倒くさがって、アウトプットをやろうとしないわけです。
そうなってしまうと、学んだ知識を実際に使うことが無いわけですから、忘れやすくなってしまいます。
③1回だけしか読まない
みなさんは、気に入った本を何度も読み返すことって、ありますか?
本は1回読んだらそれっきりで、何度も読み返すということがないのも、本の内容をすぐ忘れる人の特徴です。
エビングハウスの忘却曲線によると、1日後に覚えている割合はたったの26%(ただし、これは無意味なアルファベット3文字を覚える場合の話です。)
意味のある情報を覚えたとしても、覚えたことの大部分は、すぐに忘れます。
なので、記憶として定着させるためには、やはり何度も読むということが大事なんです。
でも、「一冊読むのに時間がかかる」だとか、「一回読んだら内容を知ってしまっているので、もう一度読んでも、面白くない」といった理由で、一回しか読まない人って、多いんですよね。
④目次の重要性に気づいていない
目次なんて、その本を買うかどうかを決めるときにしか見ないという人も多いでしょう。
目次というのは、単に何ページに何が書かれてあるのかを表したものではなく、本のコンテンツを短くまとめたものでもあるんです。
つまり、目次をしっかり読んで覚えてしまえば、頭の中で読んだ内容を整理するのに役立つんですね。
その本の概要を事前に理解したうえで読むのと、全く何も概要を理解しないまま読むのとでは、記憶の効率にも差が出てきます。
脳にとっては、事前にある程度の予備知識があった方が、頭の中で情報を整理しやすく、記憶にも残りやすいんですね。
学校の授業で、予習が大事だと言われるのも、そのためです。
本の内容を思い出せないという人は、目次の重要性にも気づいていないんですね。
⑤流行に流されているだけ
新聞の広告で、アマゾン売上1位と宣伝されていたり、本屋さんで大量に平積みされている本を見かけると、「どんなことが書かれてあるんだろう?」って、気になることってありますよね。
中には、こういった本を読んでおかないと、周囲の人との話題についていけなくなると、不安に感じる人もいるのではないでしょうか。
流行に流されてしまっていると、自分が本を読むというよりも、読まされているという受け身の状態になってしまうんですね。
書かれてあることを鵜呑みにしてしまって、自分の頭でちゃんと考えるという習慣がないと、なかなか身につきません。
⑥自分に合わない本を選んでしまっている
ちゃんと自分のレベルに合った本を選ぶというのも、本を読むうえでは、大事なポイントです。
自分に合わない本ばかりを選んでしまうと、「内容が難しすぎて、理解できなかった」だとか、「図やイラストが少なすぎて、分かりづらかった」なんてことになるんですね。
内容をすぐに忘れてしまうというのは、背伸びをして難しい内容の本に手を出してしまっていたり、文字の分量や表現が自分に合っていないということ。
人によっては、図やイラストが多い方が頭に入りやすいという人もいれば、文字ばかりの方が頭に入りやすいという人もいます。
⑦なんとなく読んでいるだけ
読んでも面白くなかった本の内容なんて、すぐに忘れますよね。
人間の脳には、情報が入力されたときに、快・不快の感情が伴えば、その情報は生きていく上で必要な情報として、記憶されやすくなるという仕組みがあります。
すぐに忘れてしまうというのは、何の感動もなく、ダラダラと読んでしまっているということ。
「へぇ~、そうなんだ!」、「これは、すごい!」、「本当に、そうなの?」といった心の動きもなく、機械的に情報を読み取っているだけでは、すぐに忘れてしまいやすくなります。
読んだ内容を定着させる科学的な対処法
人間であれば、覚えたことを忘れてしまうというのは、よくあること。
できることであれば、効率よく覚えて忘れないようにしたいですよね。
そんな人にお勧めな、科学的対処法を3つ、ご紹介します。
7回読みと体系整理
1回だけしか読まない状態では記憶に定着しないといっても、さすがに何十回も読むわけにはいきませんよね。
そこで、科学的にみた場合、最少の回数で記憶するためには何回読めばいいのかというと、7回です!
これに関しては、『東大主席弁護士が教える超速「7回読み」勉強法』(山口真由著、PHP)という本も出ていて、実例もあります。
この本だと、科学的根拠に触れられていないので、詳しいことをもっと知りたいという方には、こちらの本をお勧めします。
7回と言っても、一日にまとめてやるのは、あまり記憶の定着率がよくありません。
途中で睡眠を挟んで、記憶を整理するということも必要になってくるので、復習する間隔を適度に開けながらやるというのがポイントです。
また、読み直すときには、本の目次をコピーしておいて、全体がどうなっているのかを確認しながら読んだ方が頭の中が整理しやすくなるので、お勧めです。
感情をはたらかせる
さきほども少し触れましたが、記憶に定着させるためには、感情がはたらくことが大事です。
脳には、大脳辺縁系と呼ばれる部分に情動フィルターというものがあって、感情が大きく動いた情報ほど、生きていく上では重要なものと判断して、ちゃんと記憶するような仕組みがあります。
なので、効率よく覚えたいと思うのであれば、なんとなくダラダラと読むのではなく、感情がはたらくように意識して読むことが大切なんです。
他人に教える
一番お勧めしたいアウトプットのやり方、それが、他人に教えることです。
他人に教えることによって、頭の中の知識が整理されていき、理解があやふやだった部分がハッキリするので、復習するには最適です。
また、他人に教えることは、意味記憶と呼ばれる単なる丸暗記の状態の記憶を、忘れにくいエピソード記憶と呼ばれる状態に変えるということもできるので、記憶が定着しやすくなります。
さらに他人に教えることのメリットとしては、相手から質問を受けたり、指摘を受けたりすることで、理解がより深まるという効果もあります。
「教える相手なんていない」と言う人は、もし自分が講師として、その本の内容を解説するとしたらという場面を想定して、話す内容を考えてみるというのも、お勧めです。
すぐに忘れてしまうのは、読み方を知らないから
「せっかく読んだのに、何が書かれてあったか忘れている・・・」。
さすがにこんな状態が続いてしまうと、本を読むのも嫌になってきますよね。
読んだ本の内容を忘れないようにする上で大事なことは、読み方を知ることです。
受験勉強で鍛えられた人でもない限り、効率よく記憶できるような読み方を知っている人は、多くはありません。
効率よく覚えて忘れないようにするためには、脳科学を活用しましょう。
もっといろいろなテクニックについて知りたいという方には、精神科医の方が書かれたこちらの本も参考になります。
正しい読み方さえ実践できれば、どんどん知識も身につきます。
科学的な読み方を身につけて、スキルアップを目指しましょう!