
四柱推命ほどではないものの、性格の鑑定によく使われる占いが、九星気学です。
安倍晴明神社で占ってもらった時に、占い師の先生は四柱推命と九星気学を合体させたようなやり方で鑑定されていて、これがよく当たっていました。
そこで今回は、九星気学について検証していきます。
【目次】
九星気学とは
九星気学は、主に方位の吉凶を判断するのに使われる占いです。人や日時に応じて、方位の吉凶を判断するんですね。
歴史のある占いかと思いきや、実は明治42年に園田真次郎という人によってまとめられたもので、四柱推命に比べれば、かなり新しい占いです。
奇門遁甲という方位を占う占いがもとになっているらしく、実際に調べてみると、九星気学で使われる一白水星~九紫火星までの、一白や九紫の部分は、奇門遁甲で使われる九宮というものと意味がピタリと一致しています。
性格を鑑定する上でも、この9つのパターン(一白水星、二黒土星、三碧木星、四緑木星、五黄土星、六白金星、七赤金星、八白土星、九紫火星)のどれに当てはまるかで、判断します。
エニアグラムとは
エニアグラムとは、性格を診断するための心理テストの一種で、性格を9つのパターンに分類します。
ただ、9つのパターンにきれいに分かれるという意味ではなく、実際には、いくつかのパターンが複雑に入り混じった形になります。エニアグラムでは、性格を方向性の異なるパターンの組み合わせで表現するんですね。
しかし、それぞれのパターンについて、得られた数値の結果を高・中・低と分類して考えると、その組み合わせは3の9乗で、19683通りにもなります。
さすがにここまで細かく見るのも大変なので、一番数値の高いパターンに着目します。他のパターンに比べて数値の高いパターンが、自分の性格パターンとなるわけです。
九星気学とエニアグラムの比較
実際に、九星気学とエニアグラムがどれだけ似ているのかを比較してみた結果が、次の表です。
九星気学 | エニアグラム | 一言で言うと |
一白水星 | 献身家タイプ | 人に尽くす人 |
二黒土星 | 堅実家タイプ | 地味な努力家 |
三碧木星 | 楽天家タイプ | 明るく積極的な行動派 |
四緑木星 | 調停者タイプ | 素直で優しいマイペースな人 |
五黄土星 | 統率者タイプ | 社長やリーダーになる人 |
六白金星 | 完璧主義者タイプ | 文字通りの完璧主義な人 |
七赤金星 | 芸術家タイプ | 表現力豊かな社交家 |
八白土星 | 達成者タイプ | 目標に向かって頑張る人 |
九紫火星 | 研究者タイプ | 自由で研究熱心な人 |
エニアグラムでは、本来それぞれのタイプを、タイプ1、タイプ2・・・という呼び方をするようですが、それでは内容がわかりにくいので、ビリギャルの坪田先生の『人間は9タイプ 子どもとあなたの伸ばし方説明書』(KADOKAWA)で使用されている呼び方を使用しています。(ちなみに、タイプ1は完璧主義者タイプで、タイプ2は献身家タイプです。)
エニアグラムの検証でも、この本に付いている診断テストを使用しています。
実際に対応させてみて、なんとなくうまくは対応できたものの、「少し微妙かな~」と感じる部分もいくつかありました。(例えば、八白土星は落ち着いた感じの人ですが、達成者タイプは明るく、陽気な人です。)
それでも、内容的には結構似てます。
実際にやってみた結果
九星気学で占ってみると、私は九紫火星になります。
四柱推命で占うと、私は壬(みずのえ)なので、水の人なわけですが、九星気学だと逆に火の人になってしまうのが「あれ?」という感じがします。
占う際に、四柱推命では、何時何分に生まれたのかまで細かく見ますが、九星気学で見るのは、何年に生まれたのかです。(月・日・時を考慮するものもあるようですが、少なくとも私の手元にある日本占術協会の『九星開運歴』と高島歴出版の『高島歴』では、生まれた年だけで判断します。)
自分と同じ年に生まれた人は、みんな同じ運勢になるのかと疑問に思いますよね。(占いでの1年は、立春の日から数えて1年間なので、西暦とはズレますが。)
性格はというと、学問や研究熱心だが、派手好きで、すぐに頭にきてしまいがち、とありました。
四柱推命で検証した時もそうでしたが、半分当たっていて、半分外れています。
では、エニアグラムの結果はどうかというと、研究者タイプとの判定でした。私は、理系の大学院までいっているので、結果としては当たっています。
また、他の要素も見てみると、研究者タイプの次に高いのが、堅実家タイプと完璧主義者タイプで、その他に、達成者タイプと楽天家タイプが続いています。
九星気学は当たるのか?
九星気学はエニアグラムと呼ばれる心理テストとよく似ているので、的中率も高いのではと思いますよね。
私の場合は、九紫火星で研究者タイプだったわけですから、一致はしていました。
でも、当たっていたのは、たまたまだということは、よく考えてみれば分かります。自分と同じ年に生まれた人が、全員研究者タイプになるのって、おかしいですから。
それでも九星気学が当たっているかのように感じるのは、エニアグラムのピークが1つとは限らないからです。私の場合でも、9タイプのうち数値の高いものは、5タイプもあります。
つまり、九星気学で適当に占っても、当たる確率は9分の5もあるということなんですね。
エニアグラムでピークの数が多くなるほど当たりやすくなり、逆に、ピークがどこにも無ければ、九星気学でどんな結果を出しても当たらないということになります。
九星気学は当たるのかと聞かれれば、検証の結果としては、そこそこな確率で当たるというのが、私の見解です。
私がエニアグラムをおすすめする理由
自分の適職を占いで知ろうという人や、転職すべきかどうかを占ってもらおうと思う人も多いでしょう。
どうやって決めるかは、もちろん個人の自由なわけですが、真剣に決めたいと思うのであれば、私はエニアグラムをお勧めします。
その理由が、次の4つです。
九星気学だとモレが出てくる
九星気学では、9タイプのうち一つしか指摘できません。しかも、指摘されたその一つが、必ずしも当たるとは限りません。
そのため、かなりの割合でモレが生じることになります。
私の場合でいうと、研究者タイプだということは当てられても、完璧主義者タイプや堅実家タイプというのは、見落とされてしまうんですね。
なので、自分のことをよく知ろうと思うのであれば、エニアグラムを使った方がいいわけです。
自分に合ったスタイルが分かる
エニアグラムのピークがどこにあるのかを分析することで、自分がどんなジャンルの仕事に向いているのかが見えてきます。
献身家タイプであれば、医療、福祉、教育、芸術家タイプであれば、文字通りアートの分野といった具合です。
また、どんな仕事のスタイルが自分に合うのかも分かります。
リーダーに向くかどうか、集団になじめるかどうか、一人での仕事に耐えられるかどうかなどが分かれば、会社勤めするのがいいのか、起業家やフリーランスなんかがいいのかの判断もできるでしょう。
具体的に何をすればいいのか分かる
坪田先生が書かれた本には、伸ばすと良いところや、苦手な行動についてなど、各タイプについて、いろいろなアドバイスが書かれています。
そのアドバイスを参考にすれば、どんなところに気を付けたらいいのかも分かります。
まさに自分の伸ばし方の説明書といった感じです。
自分以外のこともよく分かる
坪田先生の書かれた本には、各タイプの人について、どう接していったらいいのかも書かれています。
主に自分が親になる場合に、子供にどんな声かけをしてあげればいいのかのアドバイスがまとめられています。
親子を上司・部下というふうに読みかえれば、職場でも十分使えるのではないでしょうか。
人間関係の悩みにおいても、相手にどう接したらいいのか分からない時なんかにも、役立ちます。(相手がどのタイプなのか見極める必要がありますが。)
ちなみに、検証では使用しませんでしたが、同じ坪田先生の本で、社会人向けに書かれた『人間は9タイプ 仕事と対人関係がはかどる人間説明書』というのもあります。(内容的には、今回の検証で使用した本とあまり変わらないようですが。)
今回は性格の鑑定に重点を置いて検証してみましたが、四柱推命で検証した時と似たような感じになりました。
九星気学とエニアグラムの分類は、結構似ているので、検証してみたら何か興味深いことがわかるかもと思っていましたが、ちょっと残念です。(あくまで個人の感想。)
どうやって自分の未来を決めるのかは、もちろん個人の自由ではありますが、九星気学は結構モレが出てしまうリスクがあるということを考えると、こちらはあまりお勧めできません。
自分の方向性を知りたいのであれば、エニアグラムが一番参考になります。