社会人にもなると、自分がわからないことを、知っている人に聞いて解決することって、結構たくさんあります。
でも、相手に話を聞こうというときに、何をどう聞けばいいのかって、迷いますよね。
いくらITの時代だからといっても、インターネット上にあがっていない情報もあるわけですから、そんな情報を得るためには、人に話を聞きにいくことも大事です。
人に話を聞きに行くのがどうしても苦手だという人のために、押さえるべきポイントをまとめました。
【目次】
社会人にとって聞くことが大事である理由
みなさんは、わからないことがあったら、どうやって解決していますか?たいていは、ネットで検索して調べますよね。知っていそうな人を探すのも面倒だし、話を聞かせてもらうのも気が引けるという人が多いのではないでしょうか。
学生の頃までは、わからないことはとにかく検索して調べることが多く、ほとんどの問題はそれで解決できたはずです。でも、いくらネット社会とはいえ、ネット上にあがっていない情報なんてたくさんあります。仕事の進め方でわからないことなんて、同じ会社の上司や先輩に聞かないとわからないですからね。
だらか、必要なことをちゃんと聞くことができるということは、仕事ができるということにつながるんです。
人から得られる情報には、価値がある
ネット上には膨大な量の情報があがっていて、たいていのことは検索すればわかります。
でも、何でも検索すれば答えが分かってしまうのであれば、コンサルタントや調査会社に高いお金を払って調べてもらうなんてことも必要ないですよね。
ネット上にあがっていない情報を得るために、コンサルタントや調査会社は、知っていそうな人に話を聞きに行ったり、現地調査をするなど、地味な努力をするわけです。中でも、知っている人に直接聞くというのは、自分で調査する手間が省けるので、楽です。
ただし、簡単に何でも教えてもらえるというほど甘ったれたものではなく、たいていは「何でお前に教えないといけないの?」みたいな対応をされてしまうんですね。
人に聞く情報というのは、誰でも簡単に手に入るというわけではないがゆえに、価値あるものが多いんです。
あまり表に出し過ぎると問題のある、ここだけの情報であったり、隠れた名店の情報、少し特殊なノウハウなど、知ればけっこう得するものってあります。だから、ネットにばかり頼らないで、人に聞くのって大事なんです。
そうは言っても、話を聞くのは苦手だから、そんな情報に手を出せないという人も多いですよね。そこで、話を聞く上でのポイントを解説していきます。
初対面なら自己紹介はちゃんとやる
話を聞く上で、忘れてしまいがちなのが、自己紹介すること。話を聞くことばかりに頭がいってしまうので、けっこう忘れてしまうんですね。
かく言う私も、新入社員研修であちこちの部署を回っていた時に、先輩社員から「自己紹介くらい、ちゃんと自分からしような」と注意されてしまいました。ちゃんと自己紹介をやっておかないと、話す側としては、相手を信用していいのかどうかの判断がやりにくいんです。「あんた、誰?」みたいな相手に、なんでもかんでも話したがる人って、そんなにいないですよね。
それに、自己紹介をしておいて、自分はどんな人で、どんな情報を欲しがっているのかを話し手に伝えておけば、話す側も話しやすくなります。
自己紹介には、相手の警戒心を解く効果があるので、けっこう重要です。
さらに、ユニークな自己紹介をして、相手に「この人、おもしろそう!」と思ってもらって、話に乗ってもらえれば、いろいろ教えてもらえますよね。
とりわけ相手との共通点(出身地が同じ、出身大学が同じなど)をアピールできれば、一気に距離感が縮まります。
話を聞くのが苦手な人は内気な人が多く、あまり自己紹介もやりたがらない人がほとんどですよね。
話を聞く上では、相手との信頼関係を築くことが大事です。
自分のことを信用してもらうために、自分をどのように相手に伝えるのかを考えましょう。
FAQレベルの質問はNG
人に話を聞く上で、何をどのように聞けばいいのかは、多くの人が迷ってしまうところです。
ここで一つ注意しておいきたいのが、FAQ(よくある質問と答え)レベルの質問を連発してしまうこと。ネットで調べればすぐ分かるようなレベルのことばかりを聞いてしまうと、自分で検索して調べるのが面倒くさいから聞いていると思われてしまう可能性があります。
それに、自分の無知や不勉強を相手にさらすことにもなるため、下手をすると「こんなことも知らないのか?」と見下されてしまうこともあり得るんですね。また、レベルの高い相手に、低レベルの質問ばかりしてしまうと、「バカにしているのか!?」と相手をイラッとさせることだって考えられます。
企業の消費者相談窓口に、お客様として問い合わせる分には問題ありませんが、ビジネスの現場で人に話を聞くには、事前の情報収集や勉強は、ちゃんとやっておきましょう。間違っても、1から10まで全部教えてくれという受け身の態度はNGです。
相手の承認欲求に応える
人は誰しも、他の人から認められたいという承認欲求を持っています。
人の話を聞くときには、相手のこの承認欲求を満たしてあげることが大事になってくるんです。
例えば、自分が話をする側の立場であれば、話をしていて相手から「それは、違うんじゃないですか?」なんて言われたら、イラッとしたり、へこんだりしますよね。他にも、相手が無表情のまま、何も反応してくれなかったり、目が泳いでいて、明らかに話とは関係のないことを考えているなって状態だったら、話をする気がなくなってしまいます。
話を聞くのが苦手な人は、相手に対して批判的になりすぎて、相手が気持ちよく話そうとするのを自分で邪魔をしています。また、相手の話に対して反応するという習慣がないため、まるで学校の授業を受けるように、たいした反応もせずに、なんとなく聞いているような状態になってしまうんですよね。
話を聞くときには、適度にうなずいて、「ちゃんと聞いてますよ」だとか「話がちゃんと伝わってますよ」ということが、相手から見て分かるようにしましょう。
途中で相づちを入れるのも大事で、「すごいですね~」だとか「へえ~、そうなんですか!」みたいな感じで反応すれば、相手も承認欲求が満たされるので、話をしてもらいやすくなります。
呼び水情報を持っておく
相手から話を聞く上で、持っておいた方がいいのが、呼び水情報です。
いきなり何の前ふりもなく、話に入っていくのって、やりにくいですよね。なので、聞きたいことに関係のあるものを話題にあげておけば、こちらとしても話を聞きやすいし、相手も話しやすくなるんです。
話を聞くのがうまい人は、多趣味で、細かいところまでよく気が付く人が多いので、呼び水情報が豊富です。いろんなことを知っているので、話題がどこに飛んでも、対処できるんですね
逆に、話を聞くのが苦手な人は、趣味の幅が狭く、知っている分野も少ないので、相手にうまく合わせるということが難しいんです。話を聞くのが苦手だという人は、感性のアンテナを張り巡らせて、いろんな情報をキャッチするようにしましょう。
教えてもらったことを忘れてしまったときの聞き方
新入社員って、覚えることがとにかく大量にあります。先輩や上司から、いろいろなことを教えてもらえるわけですが、さすがに一度で全部を覚えきるのには無理があります。教えてもらったけど忘れてしまったということが、一つや二つは出てくるんですね。
そんなときに、「やり方を忘れてしまったんで、もう一度教えてもらえますか?」なんて聞き方をしたら、確実に相手をムッとさせます。
先輩や上司にしてみれば、「せっかく教えたのに、それは無いだろ」と思ってしまうんですね。中には、もう一度聞きたいけど、怒られるのが怖いから聞けないという人もいるはずです。
なので、どんなふうに聞けばいいのかというと、「このやり方で合ってますよね?」のように、念押しするような聞き方をすればいいんです。これは、私が新入社員時代に、とある課長さんから聞いたやり方です。
これなら相手をさほどムッとさせることなく、忘れてしまった仕事のやり方を聞き出すことができるわけです。
記憶があやふやなので、ちゃんとやり方を確認しておきたいという聞き方にしておけば、そんなに怒られずに済むはずです。(少なくとも、完全に忘れてしまいましたと言ってしまうよりかはマシ)
仕事に慣れてきた時こそ、聞くことを重視しよう
社会人になったばかりの頃には、わからないことだらけなので、話を聞くのが苦手であっても、仕事での必要性から、嫌でも聞きに行くことになります。
でも、仕事に慣れてきて、自分である程度判断できるようになってくると、話を聞くのが苦手な人は、先輩や上司にやり方を確認しに行かずに、自分の判断で処理してしまことが多いんですよね。社会人になって2年目や3年目で、中途半端に自分で判断できるくらいの力が身についている状態が、一番危ないです。自分は、このやり方が正しいだろうと思っていても、実はNGだということが、けっこうあるわけですから。
自分の判断に絶対的な自信が持てない時は、ちゃんと聞いて確認するということが大事になってきます。
事前準備と聞き方がポイント
この記事をまとめると、話を聞くのが苦手な社会人にとっては、話を聞く前の事前準備と、話を聞くときの聞き方がポイントになってきます。
事前に準備するものとしては、自己紹介(初対面の場合)、FAQレベルの質問をしないための予備知識、呼び水情報をそろえておくといいでしょう。さすがに、何の準備もなしに話を聞きに行っても、有意義な情報収集にはなりません。
相手も貴重な時間を使って話をしてくれるわけですから、くだらないことをダラダラ聞き続けることのないようにしましょう。また、話の聞き方としては、相手が話しやすいように気を配ることがポイントです。
学校の授業では、先生に気を配らなくても、先生が一方的に必要な知識を教えてくれましたが、社会人はそうはいきません。必要なことは自分から聞きにいかないといけないし、普通に聞いてもなかなか教えてくれないことだってあるわけです。
聞き方さえマスターできれば、話を聞くのが苦手ということは無くなるはずです。ポイントを押さえて、話を聞きに行くのが苦手だということを克服しましょう!