読解とは?文章を読めるようにするための4つの要素

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長文の文章問題がどうしても苦手だという人は、結構います。(私も、昔はそうでした。)

 

日本語で書かれてあるから、ちゃんと全部理解できて当然なのに、問題にうまく答えられないのは、読解力がないから。いくら日本語を知っていて、難しい知識をきくような問題でなかったとしても、読解力がないと、国語の長文問題に解答できませんよね。

 

今回は、読解というものが具体的にどういうものなのかを解説していきます。

【目次】

読解の4つの要素

読解と言われても、文章を読んで内容を理解することだという程度のことしか分からないという人も、多数いるはず。具体的に、読解力を高めようと思っても、とりあえず本をたくさん読めばいいと思っている人がほとんどでしょう。

 

やみくもに本をたくさん読むだけでは、読解力は、なかなか上がりません。読解がどういうものなのかを知らないまま、ひたすらトレーニングしても、効率が悪いんですね。

 

そこで、読解力を高めるために、まずは読解がどんなものなのかを、解説していきます。

 

次の例文をもとに、読解を4つの要素に分類していきます。

 

(例文)こんにちは。はじめまして。ウラジミール山本と申します。

 

①単純な読み取り

最初の読解の要素は、単純な読み取りです。例文を読んで、初めて会った人が挨拶をしているんだな、ということが分かればOKです。

 

書かれてあることを、そのまま読み取るだけですから、日本語さえちゃんと知っていれば、誰でもできます。もし、例文が韓国語やアラビア語なんかで書かれてあったら、内容は簡単なものでも、読み取ることはできませんよね。

 

このタイプの読解力を高めるためには、文法を理解し、ボキャブラリーを増やすことです。

 

文中に知らない単語がいっぱい出てきてしまうと、読解ができなくなってしまいますから、知識をたくさん増やすことが、大事になってきます。

 

また、主語と述語の関係がちゃんと理解できていないと、正しく読み取れないので、文法も大事になってくるんですね。

 

②書かれていない情報の読み取り

次の読解の要素は、書かれていない情報の読み取りです。書かれてある情報をもとに、自分の知識や経験とも照らし合わせながら、書かれていないことを読み取っていきます。

 

具体的には、例文からどんなことが読み取れるのかを見ていきましょう。

 

・「こんにちは」とあるので、具体的な場面の説明がなくても、お昼の時間帯に会っているのだと考えられます。(もしこれがメールの文章だとしたら、お昼に読まれることを想定して書かれてあると推測できますね。)

 

・「はじめまして」とあることから、以前に会ったことはなかったということが分かります。

 

・挨拶もして、自己紹介もしているので、少なくともこの山本さんには、相手と親しくなろうという意志があると読み取れます。

 

・「ウラジミール山本」という名前から、純粋な日本人ではなく、ハーフの人だということが分かります。

 

・名前が「ウラジミール」というロシア系の名前なので、母親はロシアに関係のある人、苗字が「山本」なので、父親は日本に関係がある人だと分かります。

 

このように、例文は短くても、すでに持っている自分の知識や経験と照らし合わせることで、直接的に書かれていない情報を読み取ることができます。すごいとは思いませんか?

 

書かれていない情報の読み取りが出来れば、単純な読み取りしかできない人に比べて、2倍や3倍の量の情報を手に入れることができるんです!仕事や勉強ができるようになるためにも、このタイプの読解って、大事ですよね。

 

③文と文の関係の理解

三つ目の要素は、文と文の関係の読み取りです。文は無秩序に並んでいるというわけではなく、一定の流れにそって並んでいます。

 

文がどのように並んでいるのかを見ることによって、話がどこからどこへ向かおうとしているのかを読み取るのが、この読解要素です。

 

例文でいうと、前半の「こんにちは。はじめまして。」が挨拶、後半の「ウラジミール山本と申します。」が自己紹介と言う流れですね。「はじめまして」と挨拶しておきながら名乗らないというのは不自然なので、自己紹介の一文が続くわけです。

 

他にも、文同士のつながりだけでなく、段落同士のつながりもあります。起承転結や序破急といったものが、そうですね。

 

このように、読解と言っても、書かれてある文だけを読み取ればいいというものではないんです。文がどのようにならんでいるのかという、話の流れを読み取ることも大事なんですね。

 

文章の全体の流れがつかめるようになると、読み取った情報を後で頭の中で整理しやすくなります。

 

④読み取った内容を頭の中で整理して、理解する

最後の要素は、読み取った情報を頭の中で整理して、理解することです。いくら情報の読み取りがちゃんとできたとしても、読み取った情報をちゃんと理解できていなければ、読解したということにはならないんですね。

 

先ほどの3つの読み取りと、この理解がそろって「読解」となるわけです。

 

そして、正確に理解できるようにするためには、3つの読み取りがちゃんとできていることが必要です。

 

読み取りができずに、理解するのに必要な情報が、たくさん抜け落ちている状態では、さすがに正しく理解はできないですよね。

 

読解とは何かが分かれば、読解力も向上する

読解とは、「3つの情報の読み取りと、読み取った情報を理解すること」です。

 

図にまとめると、こんな感じです。

読解とは何かを図で表したもの

 

そして、読解とは何であるのかが分かれば、読解力を向上させることができます。

 

4つの要素のうち、どこに問題があるのかをチェックして、問題のある要素に対して、対策をとってやればいいわけなんですね。がむしゃらに本を読みまくって読解力を伸ばそうとするよりも、かなり効率よく読解力を伸ばせるはずです。

 

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