作文本では身につかない!作文をする上で必要な5つの力とは

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「スラスラ文章を書けるようになりたい!」と思ったときに、みなさんはどうしますか?

 

ノウハウを身につけたいなら、本を読んで勉強するというのが、一番お金がかからなくて、確実な手段でしょう。書店に行けば、作文のノウハウが書かれた本は、たくさんありますよね。

 

でも、そんな作文本を読んでも、思うように書けないという人も多いのでは?

 

今回は作文をする上で、本当に必要な力とは何なのかを解説します。

【目次】

頼るべき人を間違っていないか?

例えば、風邪を引いたときには、内科のお医者さんに診てもらいますよね。間違っても、風邪を引いて歯医者さんに診てもらいに行く人なんていないでしょう。たいていの人は、どんな病気になったら、どのお医者さんに頼ればいいというのは分かっているわけです。

 

では、作文ができずに困っている場合は、どうでしょう?

 

とりあえず、どれでもいいから文章の書き方に関係する本を読んで勉強すれば、ある程度書けるようになると思っている人も多いのではないでしょうか。

 

作文の本って、どんな人が書いているんだろうと著者紹介に目を通してみると、たいていは塾や予備校の先生だったり、新聞や出版関係の人だったりします。

 

塾や予備校の先生が書いている本は、入試のための小論文なんかの書き方に重点が置かれています。

 

あくまで入試に合格することが目的であって、これを読んだからといって、小論文以外の作文もスラスラ書けるかというと、ちょっとしんどい気がします。

 

一方、新聞や出版関係の人が書いた本というのは、この手の業界を目指しているような人に向けて書かれているような本で、「言葉でメシを食っていくんだったら、これくらい知っておけ!」みたいなところがあります。

 

こちらは、社会人として、お客様や上司に読んでもらえるような、きっちりした文章を書くことが目的でしょう。さすがに社会人ともなると、幼稚な文章をお客様や上司にさらすわけにはいきませんからね。

 

作文の本といっても、このように誰が書いているのかによって、目的とするところは違うんです。自分の目的とはズレているような本を読んでいたら、いつまでたっても書けるようにならないから、注意が必要です。

 

書かれてある内容は、ひたすら文法が中心

書店の文章術のコーナーに行くと作文関係の本がたくさん置いてありますが、どの本にも共通するのは、文法を中心に書かれてあるということです。

 

助詞の使い方だとか、句点や句読点の使い方など、細かい内容が延々と書かれてありますよね。読んでいても興味もわいてこず、だんだん飽きてきます。

 

わかりやすい文章を書くためには文法も大事かもしれませんが、それでは木を見て森を見ずの状態になります。

 

一つの文がいくら丁寧に書かれていても、全体を見た時に話の筋がちゃんと通っていないとなると、おかしな文章になってしまいますよね。

 

細かいところを完璧にやる以前に、全体の構成をちゃんと考えられるようにならないと、長い文章は書けるようになりません。

 

文章全体を通して、伝えたいことを読み手に分かりやすく伝えるための、文章の構成力が必要になってきます。

 

いいアイデアが浮かんでスラスラ書けるようになるためには、文法だけではダメなんです。

 

国文学に偏った教え方

どういうわけか、日本の教育では文法を重視します。

 

正しい日本語を使うためには、文法ももちろん大事なのですが、「作文技術=文法」みたいな感じになっているのも、個人的にはどうなのかなと感じます。

 

確かに、英語でも作文するときには、英文法をちゃんと身につけておかないと書けません。

 

しかし、一文は書けても長い文章を書けるということにはなりませんよね。文章全体をまとめる力が無いと、内容がメチャクチャな文章になるということは、経験している人も多いのではないでしょうか。

 

その上、以前の記事でも書きましたが、国語の授業では感じたことばかりを書かせます。そんな自分がどう感じたのかを書くということばかりをやっていたのでは、論理的に考える力が身につきません。

 

漢字の書き取りやことわざ、四字熟語などを通じて、語彙力表現力はつくかもしれませんが、思考力を鍛えるということまではしないんです。

 

国語の文学的な側面ばかりが強調されて、コミュニケーションのツールとしての部分が抜け落ちてしまっているのは、多くの人が指摘している国語教育の問題点です。

 

そもそも書きたいことが無いと書けない

文法以前の問題として、そもそも書きたいことがないと書けませんよね。

 

書きたいことがあっても、それをうまくまとめることができないと、たった一行で終わってしまうでしょう。文法だけではスラスラ書けるようにならないんです。

 

いくら作文本を読んで文法をしっかりマスターしたとしても、思うように書けないという人がいるのは、文法以外にも重要な要素があるということなんですよね。

 

とりわけ観察力がないと、作文しようにも「楽しかった」や「よかった」の一言で終わってしまいます。

 

例えば、新しくできたカフェに行った感想を聞かれても、細かいところまで見ていないと、「スタッフの人の対応がよかった」だとか「内装がオシャレだった」ということが言えません。

 

観察力のある人は、細かいところまでよく見ている分、情報をたくさん得ているので、それだけ多くの文章を書けるようになるわけです。

 

そして、観察力のある人の方が、他の人の気が付かないところにも気が付くので、作文のアイデアも浮かんできやすいんです。

 

書きたいことが見つからないという人は、まず観察力を鍛えましょう。

 

作文に必要な5つの力

すでに記事の中に何度か登場していますが、作文に必要な力は全部で5つあります。

 

観察力思考力構成力語彙力表現力の5つです。

 

何かについて作文する際には、まずテーマとなるものを観察します。

 

次に、観察していて疑問に思ったことや、感じたことについて、なぜそうなるのかなどを考え、考えた内容を整理していきます。このあたりは、大学で書くレポートや、科学者が書く論文のような論理的な文章作成に必要になってきます。

 

観察して、考えて、内容をまとめるという流れですね。観察力、思考力、構成力だけでも十分作文することはできますが、さすがにこの3つだけでは、文章が固くなってしまい、読み手が読みたいと思うようなものになりません。

 

読み手に伝えたいことが十分伝わり、感情を動かすような文章を書こうと思えば、語彙力や表現力が必要になってくるわけです。

 

これを二つのグループに分けると、観察力、思考力、構成力はサイエンス的な要素であり、語彙力、表現力はアート的な要素となります。

 

作文と聞くと、文芸的なものをイメージする人がほとんどかもしれませんが、実際には科学的で論理的な側面も持っているんです。そして、国語の授業では、やたらとアート的な側面ばかりを教え込みます。

 

感情を豊かに表現するというのも大事なのかもしれませんが、思考力がちゃんと身につかないと困ったことになります。

 

大学生になってレポートがまともに書けないだの、社会人にもなってちゃんとした文章を作成できないだのというのは、国語教育に問題があるのではと、私は感じています。

 

作文本では、この5つの力の全てをカバーすることができないんです。

 

だから、文法ばっかりの作文の本なんて、読んだところでスラスラ書けるようにならないんですね。

 

どうすれば作文力が身につくのか

作文本を読んでも作文できないのであれば、どうすればいいのか?

 

ズバリ言うと、自分に足りない能力を強化してやればいいんです。

 

5つの力のうち、「自分にはこれが足りないな~」と感じる力について、その力を強化してくれるような本を読んだり、トレーニングを積んだりすればいいわけです。

 

それを実行するためには、まずは自分を知ること。

 

自分には何が足りていないのかも分からないまま、文法ばっかりの作文本を読んだところで、スラスラ書けるようにはなりません。

 

作文本以外にも作文力を強化できる本はあるんです。

 

本屋さんのビジネス書のコーナーに行けば、思考力を鍛えるような本はたくさんありますし、文芸書のコーナーに行けば、表現力アップに役立ちそうな本もあります。

 

本を読むことに限らず、いろんなものを観察して気づいたことをメモしてみたり、誰かが使っている面白そうな言い回しを真似してみたりすることでも、作文力は鍛えられていきます。

 

そして、大事なことは5つの力のバランスを考えること。5つの力のバランスが悪いと、いい作文になりません。

 

いい文章をスラスラ書けることを目指して、5つの力を鍛え上げましょう!

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