「思い込み」をなくす!思い込みの仕組みとその解決方法とは

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「それ、違うよ」と指摘されて、思わず「えっ!?」となる。

自分が正しいと信じてきたことが、実は違っていた。

 

そんな経験、ありませんか?

 

「思い込み」は、さまざまなトラブルの原因になってしまいます。だからといって、気をつけていたとしても、なかなか無くならないですよね。

 

どうして、思い込みが生じてしまうのでしょうか?その仕組みと解決法をご紹介します。

なぜ思い込むのか

ちゃんと確認さえすればいいのに、どうして思い込みなどしてしまうのでしょうか?それを解明するためには、脳の仕組みを知る必要があります。

 

私たちの脳には、情報の欠けている部分を、自動的に補うという機能があります。この仕組みがあるからこそ、細かい部分を説明しなくても、会話が成立するんです。

 

例えば、知り合いの人が、「昨日、京都に行ってきたんだ」と言ったとしましょう。もし、会話をしているのが月曜日の仕事場だとしたら、話を聞いたあなたは、仕事が休みの日曜日に京都に行ったということは、観光でも楽しんできたのかなと想像するはずです。

 

このように、前提条件が何も説明されなくても、脳は知識や過去の経験をもとに、抜け落ちている情報を自動的に補うわけです。

 

脳はこのように、積極的に思い込みをすることで、時間と労力を節約します。

 

自然界では、外敵に襲われたときや、何か状況の変化が生じた時に素早く対応する必要があります。なので、脳はそれに適応するために、少ない情報でも意思決定ができるように進化したわけです。

 

欠けている情報は、知識や過去の経験でカバーするという方法を取ったことにより、全ての情報がそろわなくても、素早い意思決定が可能になりました。さらに、余計なことを考えなくていいので、思考に要するエネルギーの節約にもなります。

 

ただ、時間と労力は節約できるようになった反面、精度は犠牲になりました。

 

先ほどの会話で、知り合いが旅行に行って楽しんできたのだと判断したあなたが、「楽しかった?」と聞いたときに「亡くなった友人の葬儀で・・・」なんて言われると、なんだか気まずいですよね。欠けている情報を自動的に補ってくれるという脳の機能は便利ではありますが、補われた部分が目の前の現実とは異なっていると、判断ミスにつながってしまいます。

 

これが、「思い込み」なんです。

 

思い込みをなくすためには、まず、脳は欠けている情報を自動的に補ってしまうということを知りましょう。

 

物事が認識される仕組み

思い込みが生じる詳しい仕組みを知るために、まずは、五感を通して物事がどのように認識されるのかについて説明します。

 

それでは、この画像を見てください。

何に見えますか?そう、トランプとそれが入っていた箱ですよね。扇状になっているから扇子だという人は、いないはずです。

 

では、なぜ私たちは、これがトランプだとわかるのでしょうか?

 

このトランプが脳に認識されるまでには、次の5つの段階があります。

 

①認識の対象(トランプの画像)が存在する

②認識の対象から出た光、音、熱など(ここでは画面から出た光)の刺激が五感によってとらえられる

③五感によってとらえられた刺激が電気信号に変えられて、脳に送られる

④脳に届いた電気信号が情報処理され、イメージが構築される

⑤構築されたイメージが、脳に蓄積された知識や経験と照合され、認識される

 

このような情報処理を経て、「これは、トランプだ!」と分かるんです。

 

脳の中では、このように五感から送られてきた情報が処理されることによって、物事が認識されるわけです。

 

「当たり前じゃないか」と感じる人もいらっしゃるでしょうが、実はこれ、思い込みについて理解するうえで、けっこう大事なことなんです。

 

思い込みが生じる仕組み

それでは具体的に、思い込みはどの段階で生じるものなのでしょうか?

 

脳は欠けている情報を自動的に補うとうことを紹介していることからもわかるように、思い込みが生じるのは⑤の段階です。

 

先ほどのトランプの画像でいうと、細かい部分を見ずに、扇状に並んでいる形だけを見て扇子だと判断したり、トランプの箱を形が似ているからという理由でタバコの箱だと判断したりすると、思い込みになります。

 

このように、脳の中に浮かび上がったイメージと、これまでに蓄積された知識や経験が照合される際に生じるエラーが思い込みなのです。

 

細かい部分というのは、しっかり見ればわかることなのですが、どうしても全部を細かくチェックするというのには限界があります。だからこそ、脳は自動的に欠けている情報を、過去の経験などをもとに補って、意思決定を行っているんです。

 

思い込みに限らず、錯覚も仕組みは同じです。錯覚でも、脳が欠けている情報を自動的に補うことで、ありもしないものが見えてしまうんです。

 

ところで、先ほど皆さんにお見せした画像ですが、皆さんはすでに思い込みをしています!皆さんは、並べられているのは全部裏が赤いトランプで、箱の中は空になっていると思われたのではないでしょうか?

 

並んだトランプを裏返してみると・・・

実は赤いトランプは端にあった一枚だけで、残りは全部裏が青いトランプです!しかも、箱の中には、残りの赤いトランプが、しっかりと詰まっております。

 

最初の画像を見た段階で、脳は過去の経験から、絵柄の後ろは全部赤だろうだとか、トランプは全部出ているから、箱の中は空だろうと無意識的に考えるわけです。

 

思い込みを体験してみて、いかがでしたか?

 

人は簡単に思い込みにハマってしまうということが、ご理解いただけたのではないでしょうか。

 

事実と意見を分ける

思い込みをしてしまわないためには、事実意見をしっかりと分けることが重要になってきます。

 

事実とは、五感を通して得られた情報そのものです。一方の意見とは、事実をもとに自分が加えた解釈です。

 

思い込みって、意見を事実だと勘違いしてしまうことなんですね。だから、はっきりとこの二つを分けて考えられるようになると、思い込みを防ぐことができます。

 

例えば、小学校や中学校で習う国語の小説の問題を考えてみましょう。

 

「登場人物の心境について最も適当なものを、次のア~オの中から選びなさ」みたいな問題があったかと思います。(最近では、記述式になっているかもしれませんが)

 

私も当時は「霊能力者でもないのに、どうやって他人の考えていることが分かるのか?」とか思っておりましたが、文中にちゃんとヒントは隠されています!

 

そのヒントを無視して、勝手に自分の考えを当てはめて、「自分ならこう思う」みたいな答え方をしてしまうと、それは思い込みになってしまいます。客観的な事実を積み重ねていって、合理的に推論するという探偵のようなことをするのが、国語の問題なんです。

 

国語の問題に限らず、日常生活でも、相手の心理を読み違えてしまい、ちょっとしたトラブルになってしまうことは、よくあることです。

 

何が思い込みなのかが分かれば、心が楽になる

心理カウンセリングでも、事実と意見を分けることによって、思い込みに気づくということが大事になってきます。

 

「上司はいつも自分に厳しく当たってくる。きっと嫌われてるんだ!」という場合でも、厳しい指導があったというのは事実でしょうが、嫌われているというのは意見です。本当に嫌われているのかは、確認してみないと分かりません。期待してくれているからこそ、厳しく指導してくれているということだってあるわけですから。

 

苦しみの原因は、自分の勝手な思い込みなんだということに気がつけば、気持ちが楽になりますし、どのように対処すればいいのかもハッキリしてきます。

 

思い込みにハマってしまわないようにするためにも、「それって、事実?それとも、意見?」というのを大事にしてください。

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