誤解されやすい人の心理学・脳科学的原因とその科学的対処法

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誰でも一度や二度は、人から誤解を受けて困ったという経験って、ありますよね?

 

中には、誤解されることが多くて困っているという人も、いるのではないでしょうか。

 

「どうして誤解されるのか、わからない!」だとか、「誤解されないためには、何に気を付けたらいいのかを知りたい」という人のために、心理学、脳科学に基づいて、原因や対処法を解説していきます。

 

本当に性格が原因なのか

誤解されやすいのは、性格が原因だと、よく言われます。

 

日本では特に、見た目で中身をごまかそうとするのを嫌う傾向があるので、見た目よりも、その人の中身が重要だと言われるわけです。

 

でも実際には、性格は間接的な要因であって、直接的には、見た目、しぐさ、声のトーンなど、いわゆる非言語コミュニケーションというものが、重要になってきます。

 

アメリカの心理学者アルバート・メラビアンの研究によると、どちらとも解釈可能な状況で、人は何を頼りに判断を下すのかを調べたところ、話の内容などの言語情報7%、声のトーンなどの聴覚情報38%見た目やしぐさなどの視覚情報55%という結果でした。

 

つまり、大部分は、視覚や聴覚の情報によって判断されているということなんですね。

 

心理学的には、誤解されないためには、こういった非言語的な情報が、圧倒的に重要ということになります。

 

実際に誤解されてわかった、誤解されやすい人の特徴

 

誤解を生む「しぐさ」をしてしまっている

人は、相手のしぐさによって、無意識的に相手のことを推測します。

 

私が大学院生で、就活をしていた時の話ですが、日頃の研究で忙しく、就活が思うようにできないという状態でした。

 

内定をもらえていないにも関わらず、学会発表や後輩の面倒など、次から次へとやらないといけないことを押し付けられ、「就活も大変なんだから、もっと配慮してくれても・・・」と感じていました。

 

後になって研究室の先生から聞いた話ですが、私の普段の動作がゆっくりしていて、特に焦っている様子もなかったので、就活も余裕なんだなと思っていたとのこと。

 

一般的に「ゆっくりした動作=心に余裕がある」と解釈されますから、焦っているにもかかわらず、焦っているような動作ができなかったことで、相手に誤解されたわけです。

 

このように、誤解されやすい人は、普段の何気ないしぐさによって、相手に間違った印象を与えてしまっているんです。

 

時、場所、機会に合わない、服装や行動

時、場所、機会(いわゆるTPO)をわきまえるということは、よく言われることですよね。

 

TPOにうまく合った服装や行動ができていないと、誤解される原因になります。

 

実際に、私が近所の川に散歩しにいって、誤解されたときのこと。

 

川辺でくつろいでいると、近くにいた小学生くらいの女の子から小声で、「・・・変出者や」と言われました。「誰が変出者やねん!」とノリでツッコミを入れてやろうかと思いましたが、後で面倒くさいことになるのが嫌だったので、とりあえず聞き流しました。

 

そのときの状況はというと、平日の午後4時頃(一般的なサラリーマンなら、働いている時間)、私は若く見られる男性(若い人が一人で川を散歩など、考えにくい)、服装もオシャレとは言い難い(相手にあまりいい印象は与えない)という感じです。

 

こうなってくると、誤解する側に問題があるというよりも、誤解される側に問題があるというのが、おわかりいただけると思います。

 

誤解されやすい人は、TPOに応じた服装や行動ができていないんです。

 

感情と表情がうまく一致しない

人は、相手の感情を読み取ろうとする際に、相手の表情を見ますよね。

 

もし、顔に出ている表情と、心の中で思っていることが一致していない場合には、誤解の原因になります。

 

私はよく、笑っていないのに、笑っていると勘違いされることがあります。口が引き締まった時に、口角が上がりやすいので、相手はその口元を見て、何か楽しいんだなと判断するわけです。(実際、何か楽しいというわけではないんですが。)

 

相手は、こちらの気持ちを読み取ろうとするときに、言葉よりも表情から感情を読み取ろうとするため、相手にこちらの感情を伝えるときには、自分の表情に注意しないといけないわけです。

 

誤解されやすい原因を、脳科学的に説明すると

 

脳が誤解を生む3つのパターン

ここまでは、しぐさや見た目などの外見によって、どのように誤解が生じるのかを解説しましたが、ここからは誤解が生じるときに、脳の中でどのような情報処理が行われているのかに着目して、解説していきます。

 

誤解が生じる仕組みが分かれば、自分はなぜ誤解されやすいのかや、誤解されないためにはどうすればいいのかが見えてきます。

 

脳内の情報処理に着目すると、誤解が生じるパターンは、次の3つが考えられます。

 

①少ない情報によって判断を下すことによる誤解

②相手が持っている事前の知識・経験や、過度な一般化に基づく誤解

③相手の好き嫌いによる主観的な決めつけによる誤解

 

それでは、それぞれのパターンについて、解説していきます。

 

相手は、全てをチェックしているわけでなない

人間の脳は、進化の過程の中で、少ない情報で、素早い判断を下せるように進化してきました。

 

必要な情報が全てそろうまで行動できないなんて状態だったら、行動のタイミングが遅れてしまい、危機を回避できないなんてことになりかねませんからね。

 

誤解されやすい人は、相手はちゃんと見てくれていると、勝手に期待しているかもしれませんが、実際には、あまり見てくれていないことが、ほとんどです。

 

例えば、パソコンにソフトをインストールしたときに出てくる使用許諾書なんかでも、文章をまともに読まずに、同意するボタンをクリックしている人が多いのではないでしょうか。

 

何か重大な決定でもない限り、脳は、時間や労力を使いたがらないので、まともにチェックされないことが、ほとんどなんです。

 

そして、まともにチェックされないことで見落としが生じ、誤解されてしまうというわけです。

 

相手は、全てをチェックするわけではないわけですから、アピールすべきところは、目立つようにして、相手にしっかり見てもらうことが大事です。

 

相手の持っている知識や経験に反すると誤解されやすい

脳は、少ない情報で意思決定をしようとするわけですが、でもそれでは、分からないことがたくさんある状態で、どうやって正確に判断を下すのか、疑問に感じますよね。

 

実は、脳には海馬と呼ばれる記憶をつかさどる部分があり、脳は無意識的に、そこに蓄積されている過去の知識や経験と照らし合わせて、意思決定を行っています。

 

つまり、一般的な常識や、過去の自分の経験を当てはめて、情報が足りない部分を補っているわけです。

 

なので、相手の持っている知識や経験に反する行動をしてしまうと、相手はその行動に対して、自分の知識や経験をそのまま当てはめてくるので、誤解されます。

 

誤解されやすい人は、相手が持っている知識や経験からすると、異常ともいえることをやってしまっているため、誤解されてしまうんですね。

 

相手にとっての常識とは、どんなものなのかを事前に考えておくことで、誤解につながりそうな見た目や動作を、避けるようにしましょう。

 

好き・嫌いも誤解に影響する

脳には、記憶をつかさどる海馬と連携して動く扁桃体と呼ばれる部分があり、この扁桃体は、好き嫌いの感情をつかさどっています。

 

つまり、好き嫌いの感情は、記憶に影響するわけです。(興味のあることは覚えやすいというのは、このためです。)

 

そして、このことは、好き嫌いの感情も、誤解に影響することを示しています。

 

読者の皆様も、「そういえば、薄汚い人の方が、清潔感のある人よりも、誤解されやすいような・・・」と思われたのではないでしょうか。誤解されやすい人は、他人からどう見られるのかなんて、あまり意識しないことが多いですよね。

 

また、いつも特定の人から誤解されやすいという人は、相手に嫌われているせいで、誤解されやすいということも考えられます。相手にあまり嫌悪や反感を持たせないようにすることは、誤解されないようにするためにも、大事なことなんです。

 

パントマイムのテクニックを使って、誤解を防ぐ

いくら自分が誤解されやすい人だからといっても、相手の知識や経験、好みをコントロールすることはできません。誤解されないためには、自分を変えるしかないんですね。

 

でも、そうなってくると、具体的にどうすればいいのか、わからないという人もいるでしょう。

 

そこで私がお勧めしたいのが、この本です。

 

伝わり方が劇的に変わる! しぐさの技術 (DOBOOKS)

 

パントマイムの手法を取り入れた非言語コミュニケーションについて書かれた本で、アマゾンでの評価も高かったので、私も参考にしました。誤解されやすい人は、言葉を使ったコミュニケーションに頼り過ぎている部分があるので、こういった非言語コミュニケーションのテクニックは役に立ちます。

 

とりわけ、演劇で用いられるステイタスといものをコントロールすることで、コミュニケーションをうまくとれるようにするという方法は、参考になります。

 

もうこれ以上、誤解されることのないように、非言語コミュニケーションをマスターしましょう!

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