論理的になるには、どうすればいいのか?論理的に考える力の無い人にとっては、悩みのタネですよね。
「もっと考えて!」だとか「説得力が無い」なんて言われていると、結構つらいものがあります。
論理的な考え方なんて、よっぽどトレーニングを積まないと身につかないんじゃないのと半分あきらめかけている人へ、簡単に論理的な思考ができるようになる方法を紹介します。
論理的になれない理由
論理的になる方法が、なかなか思いつかないという人は、なぜ自分は論理的でないのかを考えてみると、解決の糸口が見えてきます。どうしても論理的になれないという人には、3つの重要なポイントがありません。
まず一つ目は、他者の視点が無いこと。
論理的であるためには、客観性がないといけないわけですから、自分が感じたことをそのまま伝えるという主観的なやり方では、相手に正確に伝わりません。それに、論理的になるためには、相手の立場に立って物事を考えることが大事なんですね。
相手なら何をどう考えるだろうということがわかると、どんな説明の仕方がベストなのかがはっきりして、わかりやすい説明をすることができます。
二つ目は、何も考えていないこと。
論理的でない人は、自分の感覚で感じ取ったことをそのまま言うというタイプの人が多いです。数字やデータから考えて答えを導き出すわけではないので、言うことも「なんとなく」だったり、ぼんやりした感じになってしまうんです。
しっかりと情報を集めて整理し、内容を分析して、自分の考えをまとめることが大事です。
そして、三つ目は、話にストーリー展開がないことです。
論理的でない人は、感じたことをそのまま言うだけなので、話の内容があちこちに飛びやすいんです。何がどのようになって、その結果どうなるのかという話の流れがないんですね。
結論に至るまでの話の道筋がはっきりしていないと、相手の方は、なぜそうなったのかをちゃんと理解できないんです。
弁護士も使う最強フレーズ
論理的に話すプロというと、弁護士を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
ドラマの法廷のシーンなんかを見ていると、弁護士役の人がよく使うフレーズがあります。それが、「確かに~、だが~」です。
弁護士がこのパターンのフレーズをよく使うのにも理由があります。
弁護士は、検察側の言うことを論破し、裁判官を納得させないといけないため、自分の主張ばかりを言うわけにはいきません。何も反論できないまま、ひたすら自分の言いたいことしか言わないようでは、子供のケンカのようになってしまいますよね。
なので、相手が納得して、反論してこないようにするために、相手の視点を取り入れた上で、自分の考えを述べるわけです。考えるにしても、自分は何となくこう思うというものではなく、相手の立場にも立ったうえで、徹底的に考え抜きます。
そして、有利な判決を勝ち取るために、話の流れを組み立てていくんです。
論理的になるわけ
「確かに~、だが~」のフレーズは、形としては3つの部分から構成されています。
まず、「確かに~」の部分で、相手の主義・主張の検討をします。
次に、「だが~」の部分で、相手の考えの問題点を指摘します。
そして、最後に自分の結論を述べるわけです。
論理的になるためには、話の流れに一定のパターンがあることが必要です。
よく、起承転結だとか、序破急なんて言い方をしますよね。この「確かに~、だが~」の言い回しでは、序破急の形になります。
話があちこちに飛んでしまい、まとまりのない内容だと、聞く側は、いちいち頭の中で情報を整理しないといけなくなるため、伝わりにくくなります。
だから、話を型にはめて、情報がちゃんと整理された状態で相手に伝われば、相手への負担も減って、伝わりやすくなるんです。
「確かに~、だが~」のフレーズを使うことで、自然と話の流れが序破急の型にはまるので、話が論理的になるんですね。
相手からの批判をうまくかわす
「確かに~、だが~」のフレーズでは、まず「確かに~」の部分で、相手の言うことを受け入れます。
相手の言うことなんて、わざわざ受け入れる必要はないんじゃないのかと思われるかもしれませんが、実はここは大事な部分です。
誰だって、真っ向から「あなたの考えは、間違っている!」みたいなことを言われたら、頭にきたり、へこんだりしますよね。相手によっては、ムキになってしまい、余計に批判を強めてくることもあり得るんです。
だから、批判をうまく回避するためには、まずは相手の言うことを受け入れるのが大事になってきます。
それに、「確かに~」の部分で相手の言うことを受け入れている間に、自分の意見をまとめるための時間稼ぎもできます。急に意見を求められても、すぐに答えられないという時に便利です。
相手を納得させる
相手の言うことを受け入れたら、次にやることは、相手への反論です。
「だが~」の部分で、相手の考えの問題点を指摘したり、相手の疑問に対して答えを出したりしいていくんですね。
そして、それが終われば、自分の考えを述べます。相手としては、疑問や不満も解消するので、こちらの言うことを受け入れやすくなるんです。
例えば、営業で取引先から「あんたのところの製品、高いんじゃないの?」と言われた場合の受け答えを考えてみましょう。
「確かに、価格だけを見れば、他社の製品に比べて割高な感じはあります。
ですが、従来品や他社製品に比べて耐久性を大幅に高めたことで、買い替えによるコストを減らし、取り換えの手間もあまりかかりません。
トータル的に見れば、十分ペイするだけのパフォーマンスはありますが、いかがですか?」
このように受け答えをすれば、相手としても、値段的に高いのではという不満が解消され、買ってもらえる可能性が高くなりますよね。
ちゃんと相手の疑問や不満に答え、納得さるというのが重要です。
論理的になるために、これだけ意識しよう
これで、この「確かに~、だが~」のフレーズが、いかに強力であるかがおわかりいただけたと思います。あとは、会話や文章の中に、このフレーズを積極的に入れるようにすれば、論理的になれます。
このフレーズを使えば、会話や文章の流れが、自然と序破急の形になるので、あまり余計なことを意識する必要がないんですね。表現としては、「確かに、~」以外にも、「おっしゃる通り、~」だとか「ご指摘の通り、~」といった言い回しもできます。
また、「だが、~」以外にも、逆説の接続詞として「しかし、~」だとか「でも、~」といった言葉も使えますね。いろんな場面でこのフレーズを使っていくことで、だんだんと物事を論理的に考える力がついてくるでしょう。
注意点としては、使いすぎてしまうと、やたらと反発してくる奴だなと思われてしまうことでしょうか。使い過ぎに注意しつつ、相手から批判されたり、相手を納得させないといけないような場面で、活用してみましょう。