「字が汚い」は、書くときの姿勢とペンの持ち方で変えられる

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字を速く、きれいに書けるようになると、仕事がデキる人というふうに見られやすくなります。

 

手書きする機会は減ったとはいえ、きれいに字を書けた方が、気持ちがいいし、読み手に与える印象もよくなりますよね。多くの人は、字の形やバランスを意識して書く練習をしますが、実はそれだけでは速くきれいには書けません。

 

大事なのに見落としがちな、姿勢と持ち方のポイントを解説します。きれいに書けるだけでなく、速く、しかも無駄な力を使うことなく書けるようになりましょう!

【目次】

きれいな字をマネするだけじゃダメ

字をきれいに書く上でよく言われるのが、トメ、ハネ、ハライを意識して書くということです。これを意識しながら、お手本通りに書けば、きれいに書けるというわけなんですね。

 

お手本を見て、字の形を覚えて、後はその通りに書けばいいわけですから、一見すると誰でも簡単にできそうな気がします。でも実際には、お手本どおりに書くのが難しい人って、いますよね。

 

どうしてお手本の字をうまくマネできないのかというと、書く時の姿勢やペンの持ち方が悪いからです。

 

姿勢や持ち方が悪ければ、字はゆがんできてしまい、お手本通りには書けません。

 

きれいな字を書くためには、字の形やバランスに注意するのも大事ですが、それ以前に姿勢とペンの持ち方を身につけるのが、重要なんです!

 

持ち方に問題があると、すぐに字が汚くなる

みなさんは、こんな持ち方になってまっていませんか?

悪い持ち方

悪い持ち方

悪い持ち方の中でも、このように親指で押さえつけてしまう持ち方をする人は、多くいます。こんな悪い持ち方であっても、ゆっくり丁寧に字を書けば、それなりにきれいな字は書けます。

 

でも、忙しい現代人は、ゆっくりなど書いていられません!

 

悪い持ち方の問題点は、筆先を自由に動かせないことです。

 

例えば、ひらがなの「た」という字を、悪い持ち方で書いてみます。

歪んだ「た」の字

ゆがんでしまった「た」の字

 

三画目と四画目が下に下がりすぎてしまい、形が悪くなってしまいます。どうしてこうなるのかというと、二画目から三画目に移る際に、人差指が上に行こうとする動きを邪魔してしまい、結果として、三画目と四画目が下に下がってしまうんですね。

 

この他にも、この悪い持ち方だと、親指で筆記具を押さえつけてしまうので、筆先の動く範囲が狭くなり、なめらかに字を書くのが難しくなります。

 

筆圧も強くなりがちで、全体的に角ばった字になる傾向があります。(私も昔はこの持ち方で、角ばった字だと言われていました。)

 

きれいな字を書くためには、正しい持ち方をして、筆先が自由に動くようにする必要があるんですね。

 

書くときの姿勢も重要

正しい持ち方を練習するアイテムと言えば、コレ!

持ち方練習アイテム

正しい持ち方の練習アイテム

 

みなさんも、これと似たようなものを使ったことがあるという人が多いのでは?こういったアイテムを使って、正しい持ち方を練習する人も多くいますが、中にはすぐに悪い持ち方に戻ってしまうという人もいますよね。

 

正しい持ち方で書いているのに、書きづらくて、すぐに悪い持ち方になってしまうのは、書く時の姿勢に問題があるからです。

 

せっかく正しい持ち方をしても、姿勢が悪いと、持ち方もそれに合わせて、悪い持ち方に変わっていきます。

 

具体的に、正しい姿勢とはどんなものなのかというと、まず背筋を伸ばし、机と自分との間の距離は、握りこぶし1つ分が入るくらいとします。(距離が開きすぎると、猫背になりやすくなります。)

 

次に、脇は開かないようにして、右胸の前(左利きの人は左胸の前)の約30cmのところで字を書くようにします。

 

こうすることで、正しい持ち方を維持しやすくなり、きれいな字が書けるようになります。

 

なかなか直らない悪い持ち方の犯人は、意外なアレ

正しい持ち方を練習するアイテムで、がんばって持ち方を練習したにも関わらず、挫折してしまったという人も、多いのではないでしょうか。

 

何度練習しても、正しい持ち方が身につかず、きれいに字が書けないと、自分はどんなにがんばってもダメなんじゃないかだとか、もしかして病気?とか思ってしまいますよね。

 

かく言う私も、運動神経はなくて、手先もどちらかと言えば、不器用という状態でした。そんな私でも、正しい姿勢と持ち方を身につけることで、きれいに字が書けるようになったわけですから、姿勢と持ち方は大事です!

 

でも、どうして正しい姿勢や持ち方がちゃんと身につかないのかというと、考えられる原因は、実は書道

 

書道では字を書く時に、大きな字をバランスよく書くために、自分の体の軸と半紙の中央の線がまっすぐ並ぶようにしますよね。

 

一方、日常生活で書く字は、小さくて細かい文字がほとんどなので、書きやすいように右胸の前の位置で書くわけです。

 

字が汚い人を観察していると、右胸の前の位置で書こうとせずに、まっすぐ目の前の位置で書いてしまっている人が、結構います。

 

「きれいな字を書く=書道」というイメージが頭に染みついてしまっているので、書道のときのやり方で字を書いてしまうんですね。

 

大きい文字を書くためのやり方で、無理矢理に小さい文字を書いているわけですから、書いているうちに書きにくくなって、悪い持ち方に戻ってしまい、字も汚くなるわけです。

 

私は、この違いに気が付かずに、あれこれ試行錯誤していたせいで、きれいに書けるようになるまでに二年くらいかかりました。

 

税理士試験の税法科目受験のために、限られた時間で、たくさんの文章をちゃんと読める字で書く必要があったことから、小さい子供に混ざって習字教室にも行っていましたが、そこでは字の形を直されるだけで、姿勢や持ち方の指導は、ほとんどありませんでした。

 

習字の先生も、大きい字と小さい字を書く時の違いについて、ちゃんと指導してくれない人もいるようなので、習字教室に通っても字がうまくならなかったという人は、姿勢と持ち方の違いに気をつけてみることを、おすすめします。

 

正しい姿勢や持ち方について教えてくれる本

ここで、「正しい姿勢や持ち方について、もっと詳しく知りたい!」という人に、おすすめの本があります。

 

それが、コチラ!

字は1日でうまくなる!

 

私も、この本と出合ったことで、きれいに字が書けるようになっただけでなく、書くスピードもアップしました。

 

この本のいいところは、姿勢や持ち方だけでなく、書く時の手の動きについても解説してくれているところです。

 

無駄な力を入れずに、速く、美しく書く上で、参考になります。

 

また、右肩上がりのクセ字の人や、変に字が傾いてしまうという人は、この本のp16~17に書かれてあることが、役に立ちます。

 

ポイントさえ押さえれば、誰でもきれいな字を書けます。

 

どんなにがんばっても、きれいな字を書けないのは、正しい姿勢と持ち方ができていないから。

 

先ほどご紹介した本以外にも、こんな本もあります。

書く姿勢・持ち方を甘く見てはいけない―持ち方を診断して、直しませんか

鉛筆を正しく持っている小・中・高生は1割以下という調査結果もあるそうです。

 

正しいやり方を身につけて、気持ちよく字を書けるようになりましょう。

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コメント

  1. 橋爪秀博 より:

    「書く姿勢・持ち方を甘く見てはいけない 診断してなおしませんか」の著者の橋爪秀博です。本の紹介をしていただき、ありがとうございます。私は、大阪市の教員を続けてきました。教室で授業をしていると児童の書く姿勢の悪いのが気になりました。「書く姿勢」と声を掛けるとよくなるのですが、書き始めると直ぐによくない姿勢になります。この繰り返しでしたが、姿勢が悪くなるのは鉛筆の持ち方に関係があることに気づきました。持ち方がよくないと、鉛筆の先が見えないので、横から覗きこむようなよくない姿勢になります。また、鉛筆を握ると鉛筆を指で動かせず、手首を動かして書くので微細な動きができません。「書くことが楽しくなる」姿勢や持ち方を広めたいと思っています。

    1. 黒田 貴晴 より:

      コメントいただき、ありがとうございます。『言葉の樹』運営者の黒田貴晴です。
      市販の美しく字を書こうという内容の本は、多くは字の形の解説ばかりでなので、
      なかなか自分の書く姿勢や持ち方の悪い部分を直せません。
      かくいう私も、悪い持ち方のせいで、
      書くスピードが遅い、字が歪みやすい、筆圧が強すぎる、手が痛くなるといった問題を抱えておりました。
      習字教室に行っても、姿勢や持ち方まで直してもらえなかったので、
      こういった書く姿勢や持ち方を解説してくれている本があると助かります。
      ありがとうございます。

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